トップページ » メディカルセミナー » 過去セミナー紹介

メディカルセミナー

過去セミナー紹介(鳥インフルエンザ)

講演: 鳥インフルエンザに対する企業としてのリスク管理

日時:
2004年3月27日
場所:
HSBCタワー(旧森ビル)内
講師:
杏林大学 小林 治

1. 鳥インフルエンザとは?

  • 鳥へのA型インフルエンザ感染症
  • その病原体はヒトのインフルエンザとは異なる
  • 鳥インフルエンザのうち、インフルエンザ感染をうけた鳥が大量死するなどの高い病原性を示すものを「高病原性鳥インフルエンザ」と呼ぶ

2. 最近のアジア地区における鳥インフルエンザの流行

  • 2004/01/23 ベトナム H5:35地域の1200ヶ所で集団感染
  • 2004/01/27 ラオス H5:首都に近い地域で集団感染
    台湾 H5N2:2県で集団発生し全てを殺戮処分
  • 2004/01/28 香港 H5N1:野生ハヤブサの1匹の死亡を確認
    パキスタン H7:1県3ヵ所で集団発生120万羽が死亡
  • 2004/02/06 インドネシア H5N1:全土127ヶ所で集団発生
  • 2004/02/13 韓国 H5N1:9地域16農場で集団発生
  • 2004/02/20 タイ H5:40県以上で集団発生
  • 中国 H5N1:16の自治区・省で集団発生
  • 日本 H5N1:2県で集団発生
  • 2004/02/23 カンボジア H5N1:数ヶ所で集団発生

3. 鳥インフルエンザのヒトへの感染事例

  • 1997年香港において18人が感染し6人が死亡。
  • 2003年香港において2名が感染し1名が死亡。
  • 2003年オランダにおいて数十人が結膜炎症状、十数人がインフルエンザ様症状を呈した。
  • ヒトからヒトへの感染事例は数例のみ。
  • 食肉からの感染は確認されていない。

4. 鳥インフルエンザのヒトへの感染パターン

  • 感染した鳥と近距離で濃厚接触した。 (飛沫感染?)
  • 内臓や排泄物に接触した。 (接触感染?)

5. 鳥インフルエンザのヒトへの感染パターン

  • 鶏、七面鳥、うずらなど
  • 神経症状(首曲がり、元気がない、など)
  • 下痢、食欲減退
  • 呼吸器症状
  • 大量死亡

6. ヒトの「鳥インフルエンザ」の症状とは?

  • 結膜炎(H7鳥インフルエンザに多い)
  • インフルエンザ様症状
    • 急な発熱、悪寒
    • 頭痛
    • 関節痛
    • 全身倦怠感
    • その他
  • 呼吸器症状

7. インフルエンザワクチンは有効?

  • ヒトの間で流行するインフルエンザはH1N1(ソ連)型、 H3N2(香港)型、およびB型。
  • ヒトインフルエンザワクチンは、その年に流行しそうな株を予測して作製される。
  • おおよそ全世界的な流行を網羅している。
  • 鳥インフルエンザはH5型やH7型が多い 。
  • 通常のインフルエンザワクチンは鳥インフルエンザ感染の予防に効果なし。

8. 抗インフルエンザ薬の鳥インフルエンザに対する効果

  • 鳥インフルエンザはA型インフルエンザ。
  • 国立感染症研究所の研究によると、鳥インフルエンザウイルスの遺伝子解析から、アマンタジンに対する抵抗性を有する構造が発見された。
  • 鳥インフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ阻害剤(タミフル)の効果はある 。

9. タミフルとは?

  • 経口薬
  • 1日2回、朝と夕に1カプセルずつ5日間内服
  • インフルエンザウイルスがヒト細胞から遊離する際に必要なノイラミニダーゼという酵素を阻害し、ウイルス増殖を抑制する。

10. 鳥インフルエンザ対策

  • 養鶏場などの危険地域には近づかない。
  • (サージカル)マスクの着用。
  • 危険地域ではマスクに加え、ゴーグル、グローブ、ガウンなどを着用。
  • インフルエンザ様症状が出現したら、 ただちにタミフル(1カプセルずつ毎朝夕5日間)を内服する。
  • 解熱しても3日間は自宅安静。

[マスクの効果(サージカル)]

  • ウイルスそのものは防御できない
  • 粗い粒子なら防御できる
  • 口腔内、気道内の保湿保温

[手洗い]

  • 感染予防の基本
  • 接触感染予防

[うがい]

  • 喉を清潔にする
  • 口腔内を湿潤にする
  • ポピヨンヨードを併用すればさらに感染予防力は増す?

小林 治(こばやしおさむ)講師の略歴

平成2年
杏林大学医学部 卒業、杏林大学第一内科入局
平成10年
杏林大学医学部大学院医学研究課程 修了
平成11年
コペンハーゲン大学付属王立病院臨床微生物学教室 留学
平成12年
杏林大学第一内科 助手
平成15年
杏林大学医学部感染症学 講師
  • このページの先頭へ